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「右手だけなら弾けるのに、両手にすると止まってしまう」
「毎日練習しようと決めたのに、1週間でピアノのふたを開けなくなった」
「この年齢で始めたのが、そもそも無理だったのかな」
大人になってピアノを始めて、こんなふうに感じている方もいるのではないでしょうか。
先に結論をお伝えします。挫折の原因を、年齢や才能だけで片づけるのはもったいないと思います。楽器店の教室の案内を読み比べると、挙げられている原因の多くは、指よりも練習の組み立て方についてのものだからです。
この記事では、大人がつまずきやすい理由、1回の練習の組み立て方、両手で止まるときの直し方、独学を続けるか迷ったときの考え方の順に整理します。島村楽器の教室の案内と、ピアノの練習法の解説をもとにまとめました。
大人が挫折しやすいのは、練習が「重く」なるから

子どものころの習いごとには、親の声かけや決まったレッスン日があります。大人には、それがありません。始めるのも、続けるのも、やめるのも自分しだいです。
だから大人の場合、「練習を始めるまでの重さ」がそのまま続くかどうかに響きます。重くしてしまう思い込みは、主に次の3つです。
「練習は長い時間やるもの」
島村楽器ミュージックサロン瑞江のインストラクターは、記事の中で、かつての自分を振り返っています。練習は1時間以上しないといけないと思っていて、途中で疲れてやめると「練習できなかった」と反省していたそうです。
ここで起きているのは、技術の問題ではありません。30分弾いた日まで「足りなかった日」になってしまうことです。これでは、弾くほど気持ちが重くなります。
「最初から最後まで弾くのが練習」
通して弾くのは楽しいものです。ただ、同じ記事では、1回の練習が短いと、通して弾くだけで終わってしまうと指摘されています。止まる場所は止まったままで、次の日も同じところで止まります。
「毎日弾いているのに、うまくならない」という感覚の正体は、この場合、努力不足ではなく、練習の中身にあります。
「基礎の教本を終えてから好きな曲」
島村楽器イオンモール八千代緑が丘店の案内では、バイエルやハノンなどの基礎練習は大事だとしたうえで、大人には退屈に感じられて挫折の原因になりがちだと書かれています。そして、本当に弾きたい曲の中から、弾きやすそうなものを探して始める方法をすすめています。
大人は、弾きたい曲があるから始めたはずです。そのいちばんの理由を「あとで」にしてしまうと、続ける理由が見えにくくなります。
1回の練習は「どこを弾けるようにするか」で決める

では、どう組み立てればいいのでしょうか。瑞江のインストラクターがすすめているのは、短い時間に分けることと、今回の練習で何ができるようになるかを先に決めることです。
順番にすると、こうなります。
- 時間を決める:5分から15分でかまいません。タイマーを使うと、そこまでは集中しやすくなります
- 場所を決める:「今日はこの小節からこの小節まで」と決めます
- できたら終わる:決めた場所がなめらかになったら、その回はおしまいです
大事なのは3つ目です。時間が余っていても、終わりにしてかまいません。「できた」で終わると、次にふたを開けるときの気持ちが軽くなるからです。
八千代緑が丘店の案内でも、「まずは最初の4小節だけ」「今週は右手だけ」と目標を細かく分ける方法が紹介されています。あわせて、やり始めるまでの負担を下げるために、「毎日ピアノの前に座って、1小節弾いてみる」くらいの低い目標をすすめています。
疲れている日はどうするか。瑞江の記事では、疲れた日は無理をせずに休み、弾こうという余裕がある日に少しずつ、と書かれています。休んだ日を失敗に数えないことも、組み立ての一部だと思います。
両手で止まるときは、片手に戻る
大人の初心者がいちばん悔しいのは、片手なら弾けるのに両手で止まるときかもしれません。
All Aboutのピアノの練習法の記事では、練習の成果が出ない理由の一つとして「片手ずつ練習をしていない」が挙げられています。片手でしっかり弾けないのに、両手で上手に弾けるようにはならない、という説明です。ほかに、弾けない箇所だけを取り出していないこと、テンポが速すぎることも理由に挙げられています。
ここから考えると、両手で止まったときの見直しは、次の順番になります。
- 止まる場所を探す:曲全体ではなく、止まる2小節だけを取り出します
- 左右別々に弾く:どちらの手で迷っているのかを確かめます。特に左手は練習が後回しになりやすいところです
- とても遅いテンポで合わせる:止まらずに弾ける速さまで落とします
- 少しずつ速くする:止まらなくなってから、テンポを上げます
「両手が弾けない」と感じているとき、実際に止まっているのは曲のごく一部かもしれません。問題が小さく見えてくると、続ける気持ちも戻りやすくなります。
なお、指や手首に痛みやしびれがあるときは、練習で解決しようとせず、休んで医療機関に相談してください。
どれくらいで弾けるようになるのか
先が見えないことも、挫折の原因になります。八千代緑が丘店の案内には、毎日30分程度の練習を続けた場合の目安が載っています。
- 3〜6か月:きらきら星など、シンプルなメロディーに左手の伴奏がつけられる
- 1〜3年:エリーゼのためになどに取り組み、譜読みが速くなってくる
- 5年〜:ショパンのワルツやノクターンなど
案内にも、一例で人によってさまざまだと書かれています。また、毎日30分は、忙しい大人には簡単ではありません。短い時間で練習するなら、もっとゆっくり進むと考えておくほうが自然でしょう。
それでも、この表には大事なことが書かれていると思います。難しい曲は、もともと何年もかかるものだということです。半年で弾けないのは、挫折の理由にはなりません。
同じ案内には、大人の強みも書かれています。楽譜の決まりごとを理屈で理解しやすいこと、どこでつまずいたかを自分で捉えて、そこだけを練習できることです。つまり、ここまでに紹介した部分練習は、大人に向いたやり方でもあります。
独学で止まったら、「原因を見てもらう」という選択肢

独学が悪いわけではありません。ただ、一人だと解決しにくいことがあります。八千代緑が丘店の案内では、「本当にこれであっているのかな」「リズムがわからない」といった練習中の不安が、挫折の原因になりやすいと書かれています。
ここで見分けたいのは、止まっている場所がわかっているかです。
- 止まる場所がわかっていて、少しずつ進んでいる:このまま独学でよさそうです
- どこをどう直せばいいのかわからない:一度、人に見てもらう価値があります
- 弾くと手や腕がつらい:弾き方を見てもらうと安心です(痛みがあるときは先に医療機関へ)
ずっと通うと決める必要はありません。今の困りごとを見てもらうために、体験レッスンを使う方法もあります。
たとえば大人向けの音楽教室シアーミュージックは、公式ページでレッスンはすべてマンツーマンと案内しています。よくある質問には、初心者で入会する人は多いこと、楽器を無料でレンタルしていることも書かれています。
体験では、「両手にすると止まるこの2小節を見てほしい」と具体的に伝えると、短い時間でも聞きたいことを聞きやすくなると思います。料金や開講の内容は変わることがあるので、申し込む前に公式ページで確かめてください。
▶ シアーミュージックの「無料体験レッスン」を見る![]()
※シアーミュージックの公式ページが開きます
まとめ
大人のピアノの挫折は、才能より、練習の重さから始まることが多いように思います。
- 長い時間やらなくていい。5分から15分に分ける
- 通して弾く前に、「今日はどこを弾けるようにするか」を決める
- 両手で止まったら、止まる場所だけ片手に戻して、遅く合わせる
- 弾きたい曲を「あとで」にしない
- どこを直せばいいかわからなくなったら、一度人に見てもらう
今日は、弾きたい曲の最初の1小節だけで十分です。ふたを開けるところから始めてみてください。
