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「前に習いごとを始めたけれど、半年も続かなかった」
「また途中でやめたら、お金も気持ちももったいない」
「続かないのは、自分の意志が弱いからだろうか」
新しいことを始めたい気持ちはあるのに、過去の経験を思い出して足が止まる。50代には、そんな方も多いのではないでしょうか。
先に結論をお伝えします。習いごとが続かない原因を、意志の弱さだけで片づけるのはもったいないと思います。続くかどうかは、始める前の決めごとで変えられる部分があるからです。
この記事では、やめたくなるきっかけ、始める前に決めておく3つのこと、休みたくなったときの考え方の順に整理します。音楽教室の公式情報と習慣づくりの研究をもとにまとめました。
やめたくなるきっかけは、だいたい3つ
島村楽器の四日市の教室の案内では、レッスンが続かなくなるきっかけとして、「練習時間が取れない」「上手く弾けない」「よく分からない」が挙げられています。バイオリン教室の案内ですが、ほかの習いごとにも当てはまりそうな内容です。
この3つを見ると、気づくことがあります。どれも、やる気がなくなったという話ではありません。
- 練習時間が取れない:生活の中に、習いごとの場所がない
- 上手く弾けない:期待していた上達と、今の自分に差がある
- よく分からない:何ができていて、次に何をするのかが見えない
つまり、やる気の問題に見えるものの多くは、時間、期待、見通しの問題と言いかえられます。ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。
意志の問題だと思うと、次も「もっと頑張ろう」で始めることになります。これでは、同じところでつまずいても不思議ではありません。一方、時間や期待の問題だと分かれば、始める前に手を打てます。

始める前に決めておく3つのこと
1. 何のために通うのかを、一文で言えるようにする
上達だけを目的にすると、伸びが止まったように感じる時期に、通う理由まで揺らいでしまいます。
50代の習いごとは、試験や仕事のためとは限りません。たとえば、次のような目的でもよいはずです。
- 好きな1曲を、最後まで弾けるようになりたい
- 週に一度、仕事と家のことを忘れる時間がほしい
- 家族以外の人と話す場所がほしい
ポイントは、「上手くならなかった月にも、通ってよかったと言える目的」を混ぜておくことです。「好きな曲を弾く」は上達の目的ですが、「気分を変える時間をつくる」は、その日に通えただけで達成できます。
この2つを持っておくと、思うように進まない月があっても、やめる理由になりにくくなります。
2. 通う日を「空いたら」ではなく、先に予定に入れる
「時間ができたら行こう」は、忙しい時期ほど後回しになります。50代は、仕事の責任、親のこと、自分の体調など、急な用事が入りやすい年代でもあります。
そこで、通う頻度は、調子のよい週ではなく、忙しい週にも無理なく続けられる回数で決めましょう。
習慣づくりの研究に、ヒントになるものがあります。ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの研究者らが2010年に発表した研究では、96人が毎日の生活で同じ行動を84日間続け、どれくらい自動的にできるようになるかを記録しました。よく当てはまった人の分析では、自動的にできる状態に近づくまでの日数の中央値は66日で、人によって18日から254日まで幅がありました。
この研究は、水を飲む、運動するといった毎日の行動を調べたものです。週に一度の習いごとに、そのまま当てはめることはできません。それでも、慣れるまでの早さには大きな個人差があること、同じ場面で繰り返すことが大切だということは、参考になります。
「毎週水曜の夜は教室」のように、曜日と時間を決められるなら、それだけで考えることが一つ減ります。仕事の都合で固定が難しい方は、予約の変更がしやすい教室を選ぶ手もあります。
3. 「休むとき」と「やめるとき」のルールを先に聞く
3つ目が、いちばん見落とされがちです。
入会するときは、楽しいことを考えていますから、休むときの話は聞きにくいものです。しかし、続かなかった経験がある方ほど、ここを先に確かめておく価値があります。休み方が分かっていると、一度つまずいても戻りやすくなるからです。
たとえば、シアーミュージックの公式のよくある質問には、次のような決まりが書かれています。
- レッスンの予約は、前日の17時までならキャンセルや変更ができる
- 月のレッスン回数は変更できる(変更したい月の前月5日までに手続き)
- 休会もできる(前月5日までに手続き、最長3か月)
- 受けなかったレッスンの翌月への繰り越しはできない
便利な点だけでなく、繰り越しができない点も大切です。月2回のコースで月末に用事が重なると、受けられなかった分は消えてしまいます。だからこそ、月の初めのうちに予約を入れておく、といった工夫が役に立ちます。
決まりは教室ごとに違います。ほかの教室を検討するときも、同じ項目を確かめましょう。

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月謝のほかにかかるお金は、こちらの記事で詳しくまとめています。
▶ 大人の音楽教室の月謝はいくら?入会金や管理費まで含めた費用の目安
練習できない週があっても、失敗ではない
楽器のように家での練習がある習いごとは、「練習していないから、今週は行きにくい」と感じることがあります。ここで休むと、次はもっと行きにくくなります。
先ほどの研究には、もう一つ心強い結果があります。1回行動を抜かしても、習慣づくりの流れに大きな影響は見られませんでした。 ただし、これは1回の抜けについての話です。何度も続けて休んだ場合や、長く休んだ場合まで大丈夫だと言っているわけではありません。
つまり、気をつけたいのは1回休むことではなく、1回休んだあとに戻らなくなることです。
そこで、練習できなかった週は、次のように考えてみてください。
- 練習できなくても、レッスンには行く
- 先生には「今週は練習できませんでした」と最初に伝える
- その日のレッスンの中で、一緒に音を出す時間を増やしてもらう
島村楽器の案内では、レッスンと自主練習を繰り返すことが大切だと説明されています。これは本当にそのとおりです。ただ、続けるための順番としては、まず通うことを切らさないほうが、戻るのは楽だと思います。
家で音を出しにくい方は、練習の場所を教室に頼る手もあります。たとえば、島村楽器の四日市の教室には、30分330円からのルームレンタルがあります。ただし、シアーミュージックのよくある質問では、レッスンブースの自主練習用レンタルは現在休止中と案内されています。使えるかどうかは教室や時期で変わるので、体験のときに聞いてみましょう。
「よく分からない」は、先生に聞くと小さくなる
3つのきっかけのうち、「よく分からない」は、質問することで小さくできます。
大人の生徒は、分からないことをその場で聞きにくいものです。とくに、今さらこんなことを聞いてよいのだろうかと考えてしまいます。そこで、レッスンの最後に、次の2つだけ聞くと決めておくのはいかがでしょうか。
- 今日できるようになったことは何ですか
- 次までに、どこを練習すればよいですか
この2つが分かると、自分では気づきにくい進みぐあいが見えてきます。先に見通しを聞いておけば、「上手く弾けない」と感じる日の気持ちも、少し変わるはずです。
先生に聞くのが恥ずかしいと感じる方には、こちらの記事が参考になると思います。
▶ 大人のピアノ教室は恥ずかしい?50代が気後れせずに通うための考え方
それでも合わないと感じたら
ここまで続けるための話をしてきましたが、やめることが悪いわけではありません。
体調や家庭の事情が変わることもありますし、やってみて初めて、別のことのほうが楽しいと分かることもあります。シアーミュージックのよくある質問でも、通えなくなったときは、まず講師やスタッフに相談するよう案内されています。回数を減らす、休会する、先生を替えられないか聞くなど、やめる前に選べる道があるかもしれません。
判断に迷ったら、次の順番で考えると整理しやすくなります。
- その習いごと自体は、まだ好きか
- 合わないのは、先生か、通う頻度か、通う場所か
- 回数を減らしたり休んだりすれば、また行きたいと思えるか
習いごと自体が好きなら、やめるより条件を変えるほうが先です。もう気持ちが向かないなら、やめて次を探してかまいません。一度やってみて分かったことは、次の習いごと選びに生きてきます。
何を始めるか迷っている方は、こちらの記事もどうぞ。
▶ 50代から習いごとを始めるなら何がいい?後悔しない選び方と体験の使い方
よくある質問
前にやめた習いごとを、もう一度始めるのは気まずくありませんか?
同じ教室に戻るのが気になるなら、別の教室や別の先生で始める方法もあります。やめた理由を思い出して、今回は何を変えるのかを一つ決めておくと、前回との違いをつくれます。
週に何回通えば続きますか?
研究でも人によって大きな差があり、何回なら続くという決まった答えはありません。忙しい週にも無理のない回数から始めて、物足りなくなったら増やすほうが安心です。
友だちと一緒に始めたほうが続きますか?
一緒に行く楽しみは大きいと思います。ただ、相手がやめると通う理由までなくなることもあります。自分のための目的も、一つ持っておきましょう。
まとめ
- やめたくなるきっかけの多くは、やる気より、時間、期待、見通しの問題
- 上手くならなかった月にも「通ってよかった」と言える目的を混ぜておく
- 通う回数は、忙しい週にも続けられる数で決める
- 休み方、回数変更、繰り越しのルールを入会前に確かめる
- 1回休むことより、休んだあとに戻らなくなることに気をつける
前に続かなかった経験は、向いていない証拠ではありません。次に何を決めておけばよいかを教えてくれる材料です。今度は、始める前に少しだけ準備をして、気楽に通い始めてみませんか。
